
こんにちはソムリエ田中です。ワインとチーズは相性バツグン!ということで試してみたけど、あまりおいしく感じなかった‥という経験があると思います。
この原因は「ワインの種類と相性が良くないチーズ」を選んでいるためで、しっかりとワインの種類ごとに相性のよいチーズを選べばこの問題はスッキリと解消されます。
そこで今回は、現役ソムリエ田中が「ワインの種類別に選んだ相性の良いおすすめチーズ」をランキング形式でご紹介していきます。![]()
ワインの種類別に選んだ相性抜群のチーズランキング


ワインとチーズの相性をより高いレベルでマッチングさせるため、ワインの種類別にそれぞれ相性の良いチーズをトップ3に絞ってピックアップしてご紹介していきます。
※なおチーズのリンク先は、私がおすすめとするチーズ専門店「オーダーチーズ」「ブルサン公式通販」です。
①辛口のシャンパン・スパークリングワイン

初めにご案内するのは「辛口」限定のシャンパーニュやスパークリングワインと相性バツグンなチーズです。
クレーム・デ・シトー・オ・トリュフ

| チーズ名 | クレーム・デ・シトー・オ・トリュフ | ||
| 生産地 | フランス ブルゴーニュ地方 | タイプ | 白カビ |

この「クレーム・デ・シトー・オ・トリュフ」は白カビタイプの中でも珍しくトリュフをサンドしてあるため、高貴な香りとふくよかな味わいが辛口発泡酒と抜群の相性を見せてくれます。
トリュフの香りも去ることながらクリーミーで濃厚な特徴を、辛口の発泡酒がサッパリと流してくれるため一度試してみると病みつきになる相性です。
白カビチーズ全般については発泡系ワインとの相性は良いですが、さらにトリュフが組み合わさることでこれ以上ないマッチングとなります。
サントモール

| チーズ名 | サントモール | ||
| 生産地 | フランス ロワール地方 | タイプ | シェーブル |

発泡系ワインと相性バツグンチーズの代名詞と呼ばれているのがシェーブルタイプ。さらにその中でも人気なのが「サントモール」です。
シェーブルタイプ(山羊乳)のチーズには酸味があるのが特徴で、その酸味と濃厚なコクにたいして発泡酒系のシュワシュワとした泡が抜群の相性を見せてくれます。
シェーブルタイプのチーズは甘みがほとんど感じられないため、とくに辛口のシャンパーニュやスパークリングとの相性はバツグンです。
このサントモールは中心に藁が1本通っているので、事前に引き抜いてからカットしてください。
また周りが黒く見えるのは「灰」がまぶしてあるためで、これによってやや穏やかな味わいなのが特徴です。そのまま食べることができます。
ミモレット

| チーズ名 | ミモレット 18ヵ月熟成 | ||
| 生産地 | フランス フランドル地方 | タイプ | ハード |

この「ミモレット18ヵ月熟成 」は日本の珍味カラスミを思わせる濃厚な味わいが特徴で、さらに18か月間の熟成によって複雑さが増しているため辛口発泡系ワインとの相性は抜群です。
ミモレットはチーズ初心者から抵抗なく楽しめる優しい味わいで、さらに18ヶ月熟成タイプは長い熟成期間によりさらに深いコクを楽しめるのが特徴です。
発泡系ワインの炭酸との相性はバツグンで、お互いに引き立て合って強い相乗効果が生まれるおすすめの組み合わせです。高級な日本酒がカラスミと相性が良いように、ミモレットは高級な発泡性ワインと相性がよい組み合わせです。
②辛口の白ワイン

つぎに「辛口」限定の白ワインと相性抜群のチーズです。おもにシャブリなど有名な辛口白ワインとの相性がバツグンです。
エポワス

| チーズ名 | エポワス | ||
| 生産地 | フランス ブルゴーニュ地方 | タイプ | ウォッシュ |

とくに辛口白ワインでもコクのあるタイプには、この「エポワス」が抜群の相性を見せます。初心者ではなくややチーズ玄人向きの味わいになります。
ウォッシュタイプのチーズは外皮を塩水やブランデーで洗いながら熟成させるため、強めの香りや味わいとなるのが特徴です。そんな強い香りを辛口白ワインがサッと洗い流して、複雑なコクとともに抜群の相性となります。
辛口白ワインの中でも出来るかぎり長期熟成をさせた、プルミエクリュやグランクリュクラスを合わせるとより高いマリアージュを楽しめます。
ブルサン

| チーズ名 | ブルサン | ||
| 生産地 | フランス ノルマンディー地方 | タイプ | フレッシュ |

私もチーズの中でとくに大好物なのがこの「ブルサン」で、辛口白ワインとの相性は誰でも納得できるほどの高いマッチングを楽しめます。
とくにブルサンとの相性がよいのは辛口白ワインの中でも、フレッシュでキリッとした酸味のあるタイプ。ブルサンのもつフレッシュな酸味とバッチリの相性を楽しむことができます。
またブルサンを使ったパスタ料理などにも辛口白ワインが抜群の相性を見せるので、そのままでも料理に使っても広くマリアージュを楽しめます。
また食材と組み合わせてカナッペにしても辛口白ワインとの相性はバツグンです。
ブシェット ブランシュ

| チーズ名 | ブシェット ブランシュ | ||
| 生産地 | フランス | タイプ | シェーブル |

この「ブシェット ブランシュ」はシェーブルタイプの中でもっともクセの弱いチーズで、初心者でも食べやすいシェーブルとして人気です。
シェーブルタイプのチーズといえばクセが強いことで苦手という方も多いですが、このブシェットブランシュに限っては熟成を抑えているためヨーグルトのような風味でとても食べやすい味わいなのが特徴です。
フレッシュな味わいと爽やかな酸味が辛口白ワインと相性良く、シェーブルタイプのチーズが苦手でも気軽に楽しむことのできる組み合わせです。
③甘口のスパークリングワイン・白ワイン(デザートワイン含む)

つぎにご紹介するのが「甘口」限定のスパークリングワインや白ワインと相性抜群のチーズです。ここにはデザートワインも含まれます。
ロックフォール

| チーズ名 | ロックフォール | ||
| 生産地 | フランス アヴェロン県 | タイプ | 青かび |

チーズの王道とも呼ばれ青カビタイプでもっとも有名なのがこの「ロックフォール」で、甘口のスパークリングワインや白ワインとの相性は予想に反してバツグンです。
青かびチーズといえば塩気が強いイメージがありますが、じつはこの塩気とワインの甘さが相性ピッタリということは意外と知られていません。
フランスでは昔から「ソーテルヌ&青かびチーズ」と言われているほどで、青かびチーズの中でもクリーム感が強すぎずサッパリとしているこのロックフォールが最高のマッチング。
この組み合わせは一度味わうと、ほぼ間違いなくクセになるものです。
マスカルポーネ

| チーズ名 | マスカルポーネ | ||
| 生産地 | イタリア | タイプ | フレッシュ |

この「マスカルポーネ」といえばティラミスを想像しますが、そのまま食べるよりもデザートに使われることの方が多いチーズです。もちろん甘口白ワイン系との相性は文句なしです。
しっかりとした品質のマスカルポーネであればそのまま味わってもほのかな甘みがあり、またクリーミーで爽やかな香りを楽しむことができます。
デザートにしても甘口系のワインとの相性を楽しむことができますが、そのまま味わっても本来の味わいでワインとの相性を楽しむことができておすすめです。
ブリアサヴァラン

| チーズ名 | ブリア サヴァラン | ||
| 生産地 | フランス ノルマンディー地方 | タイプ | フレッシュ |

この「ブリア サヴァラン」はクセがなくチーズ初心者にもおすすめで、チーズ界のデザートともいわれるほど優しい味わいで甘口ワインとの相性もピッタリです。
このチーズは甘口ワインとの相性も良いですが、辛口白ワインなどとの相性も良く幅広いマリアージュを楽しめるのが特徴です。
ホロホロと崩れる口当たりを楽しみながら、フレッシュな酸味と味わいを甘口白ワインとともに楽しむのはまた新しい発見があると思います。
④赤ワイン全般

最後に赤ワイン全般との相性が良いチーズをピックアップします。このジャンルの相性はクセになる人も多くもっとも奥が深いといえます。
フルムダンベール

| チーズ名 | フルムダンベール | ||
| 生産地 | フランス オーベルニュ地方 | タイプ | 青かび |

この「フルムダンベール」はクリーム分が高いため赤ワインとの相性はバツグンです。第3の味が口の中いっぱいに広がって初めはきっと驚きます。
青かびチーズというのはクリーム分が少なめのものが多いですが、その中でも牛乳を使って高いクリーム分を特徴としているのがこのフルムダンベールです。
とくにメルロー種を使った赤ワインとの相性はバツグンで、ナッツ類を思わせるようなコクと豊かで深い味わいを楽しむことができます。
リヴァロ

| チーズ名 | リヴァロ | ||
| 生産地 | フランス ノルマンディー地方 | タイプ | ウォッシュ |

ウォッシュタイプのチーズでも「リヴァロ」は外皮のネットリ感が赤ワインと抜群の相性を見せます。
とくに熟成が進んで中がトロッとすればより赤ワインとの相性が良く、渋みのある重い(フルボディ)の赤ワインと組み合わせることで高貴な味わいを楽しめます。
周りにグルグル巻いてある、赤い紙を取り外してからカットしてください。
ブリ―・ド・モー

| チーズ名 | ブリ―・ド・モー | ||
| 生産地 | フランス モー村 | タイプ | 白カビ |

白カビチーズの中でもとくに有名なのがこの「ブリ―・ド・モー」で、やや塩分を感じる部分が赤ワインとピッタリの相性で楽しめます。
白カビチーズと赤ワインを合わせるときに、塩分が少ない場合はあまり相性が良くありません。
相性の良い白カビチーズを選ぶときには塩分含有量が多めのものが最適で、塩気を感じる白カビチーズは使用ピッタリの選択となります。

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ワインとチーズの相性をさらに引き出す食材


ワインとチーズの相性というのはそれぞれ単体でも美味しいですが、さらに相性のよい食材を組み合わせることでよりおいしさが引き立つものです。ここではワインとチーズの相性をより引き立たせるおすすめの食材を3選にしてご紹介します。
①バゲット

チーズ&ワインとくれば定番なのが「バゲット」です。相乗以上にチーズとワインのうま味を引き出してくれるので必ず用意をした方がいい食材です。
バゲットの合わせ方は「薄切り」がデフォルトで、厚くカットしてしまうとチーズの味わいよりもバゲットのほうが勝ってしまうので注意が必要です。
バゲットの選び方はとくに難しいことはなく、近所のパン屋さんなどで販売されているもので十分。
またバゲットを薄切りにしてそのままでも美味しいですが、トースターなどで少し焼くことでさらに美味しくなり相性も増します。
②ナッツ類

ナッツ類(アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツなど)もチーズ&ワインに組み合わると相性バツグンで、より深いコクを楽しむことができます。
ナッツをそのまま組み合わせるのも相性が良いですが、少しフライパンで空焼きをすることでナッツの風味が増してさらに相性の良い組み合わせを楽しむことができます。
またナッツ類が練り込まれているパン類(くるみパン、ナッツ入りパンなど)を選ぶことで、パンとナッツを効率よく組み合わせることができておすすめです。
③ドライフルーツ

ここまでチーズとワインにプラスして美味しい組み合わせを楽しんでくれば、さらにドライフルーツを追加して完成形(究極)といえる楽しみ方を実践してみてください。
たかがドライフルーツと思うかもしれませんがその力はとても偉大で、ドライフルーツが加わるだけでとんでもなく全ての相性がアップするものです。
ドライフルーツの中でもとくにワインの原料で使われているブドウとの相性はバツグンで、それ以外にもイチジク、プラムなどフルーツのもつフレッシュな酸味がワイン&チーズと最高の相性を見せてくれます。
ワインとチーズの基本的な相性


ワインとチーズの相性というのは、あらかじめ基本的な部分で決まっているものです。もしワインとチーズの相性に迷ったときは基本的な相性だけ覚えておくと便利です。
①白カビタイプのチーズ

白カビタイプのチーズは、基本的に「辛口白ワイン・辛口スパークリング・シャンパン」との相性が良い傾向にあります。
白カビタイプのチーズは一般的にソフトでクリーミーなものが多く、白カビからくる独特の香りと辛口白ワイン系のフレッシュさが良い相性を見せます。
ただし塩分が強めな白カビタイプのチーズには、赤ワインの方が良い相性を見せることがあります。
②青カビタイプのチーズ

青かびタイプのチーズには「甘口白ワイン」「赤ワイン」との相性が良い傾向にあります。
青かびタイプのチーズは大きく分けて2パターンがあり、山羊乳を使ったあっさり系には甘口白ワイン、牛乳を使ったこってり系には赤ワインとの相性がバッチリです。
したがって青かびタイプのチーズはまず使われている原料をチェックして、それに見合ったワインを選ぶことで失敗する可能性を大きく減らすことができます。
③フレッシュタイプのチーズ

フレッシュタイプのチーズは「白ワイン全般」との相性が良い傾向にあります。
フレッシュタイプのチーズは全体的に酸味が特徴で、白ワインのもつ酸味やフレッシュ感と良い相性になります。またフレッシュタイプのチーズを用いたデザート類には、甘口白ワインやデザートワインがおすすめです。
④ウォッシュタイプのチーズ

ウォッシュタイプのチーズは、おもに「赤ワイン」との相性が良い傾向にあります。
フランスなどヨーロッパ地方でもっとも高貴なチーズといわれているのがウォッシュタイプで、外皮を洗いながら熟成させることで強烈な香りを放つことからそのように呼ばれています。
この香りに打ち勝つためには赤ワインなど強い味わいが必要で、しっかりとしたフルボディの赤ワインなどは間違いのない相性となります。
⑤ハードタイプのチーズ

ハードタイプのチーズは「辛口白ワイン」「赤ワイン全般」との相性が良い傾向にあります。
ハードタイプのチーズには2パターンの味わいがあり、マイルドな味わいには辛口白ワイン、熟成などによってコクのある味わいには赤ワインとの相性が良くなります。
またパルミジャーノレジャーノなどを使ったパスタ料理などは、赤ワインを合わせるととても相性の良い組み合わせとなります。

ワインとチーズの相性まとめ

今回は「ワインとチーズの相性」についていろいろな角度からご紹介してきました。まだ至らない点もあるかと思いますが大方の相性はお伝えできたのではないでしょうか。
ワインにもいろいろな種類があり、チーズの味わいもさまざま。
そう考えるとワインとチーズの相性というのは、イチガイにコレ!ということはできません。
最終的には実際に自分が味わってみて、よりおいしいと感じた組み合わせが正解です。
またチーズ単体ではなく様々な食材などとの組み合わせ、調理方法との組み合わせなどによってもワインとの相性は違ってくるものです。
ぜひ自分好みの相性を見つけるべく、いろいろなワインとチーズの組み合わせをなさってみてください。


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