
こんにちはソムリエ田中です。希望にぴったりのアイスワインを選べるよう「安い・白・赤」それぞれおすすめランキングで紹介します。
1房のブドウから「たったスプーン一杯の果汁しか採れない」という、超希少な極甘口ワイン。
寒冷地でしか作れないアイスワインは最近の地球温暖化が相まって、自然栽培によるアイスワイン生産地域も将来的に減るのでは?という懸念も。
そんなアイスワインを楽しめるだけでも貴重ですが、ソムリエの経験からジャンルごとのベスト3を決定したので選ぶときの参考にしてみてください。
アイスワイン「安い」おすすめランキング

アイスワインの定義は国際登録商標によりオーストリア、ドイツ、カナダのみで「自然に凍ったブドウ」による生産が条件ですが価格も高価。そこで安くて美味しいアイスワインを楽しんでもらえるよう人工的に凍らせて作った「アイスワイン風」も交えてランキングにしました。
五一わいん 氷菓の雫 ナイヤガラ

五一わいん 氷菓の雫 ナイヤガラ
価格 | 約2,000円 | 色 | 白 |
生産地域 | 長野県塩尻 | 生産者 | 林農園 |
ブドウ品種 | ナイアガラ100% | アルコール度数 | 8.0% |

この「氷菓の雫」は人工的にブドウを凍らせて作った「アイスワイン風」ですが、本場の味わいにかなり近くアイスワインの疑似体験にはピッタリでソムリエとしておすすめします。
世界的なアイスワインに通じる味わいをもっており、特有のリッチ感あふれるブドウ香をはじめ、ネットリとした極甘口ですがベタつかずバランスの良い酸味によって切れのあるスッキリ感を楽しむことができます。
酸味があるといっても酸っぱいと感じるものではなく、自然な甘さをより引き立ててくれる爽快さを演出する感じ。いわゆるブドウを食べたときに感じる爽やかな酸味という味わいです。
このキメ細かな泡を見れば、きっと凝縮感のある濃厚さがわかる人にはわかるはず。

五一わいん氷菓の雫ナイヤガラのキメ細かな泡
日本のアイスワインとして、百戦錬磨のソムリエ田中も納得のおいしさ!
トロ~ッとして濃厚なネットリ感はボトル越しからわかるほどで、ブドウ本来のジューシーな甘みがしっかりと感じられ、それでいて余韻はスッキリ爽やか。
さらにただブドウの甘さが凝縮された味わいだけではなく酸味や土壌からくる複雑さも相まって、それはもう至福のひと時を十分に堪能できる国産アイスワインがこの「五一わいん 氷菓の雫 ナイヤガラ」です。

五一わいん氷菓の雫ナイヤガラのラベル
また値段も2,000円程度と、アイスワインの中でもとくに安いのがいいですね。
とくにワインが苦手‥という女性には飲んでみて欲しいアイスワイン。間違いなく美味しい!といってもらえる自信がソムリエ田中にはあるのでプレゼントに最適。
価格は安いのにしっかりと本格的なアイスワインを楽しめるので「初めてアイスワインに挑戦する!」という人にも間違いなくおすすめですが「本場の味を知りたい!」という場合にもピッタリ。
甘み・酸味・コクすべてのバランスがバツグンで、とにかく「安くて美味しい」という本場アイスワインを忠実に再現している国産のおすすめ極甘口白ワインです。
完全におすすめなので、ぜひ一度は試してみて欲しい長野県のアイスワインです。
ナクトゥゴールド
価格 | 約4,000円 | 色 | 白 |
生産地域 | ドイツラインヘッセン | 生産者 | ピーター・メルテス (PETER MERTES) |
ブドウ品種 | ・オルテガ ・フクセルレーベ ・ショイレーベ | アルコール度数 | 10.0% |

ドイツ国内で生産された正式なアイスワイン(Eiswein)の1つで、伝統的に甘口ワイン醸造として高評価の大手ワイナリー「ピーター・メルテス」による安くて美味しいアイスワインです。
このアイスワインの大きな特徴は「3種ブドウのブレンド」で、しっかりとした果実味とコクがやや多めの酸味によってキリッと引き締められているという味わいです。
とくに桃やパイナップルを感じさせるサッパリとした甘さと後を引かない切れの良さ、またブレンドによる複雑さを感じられる高級感ある味わいがこのアイスワインの良さになります。
本場ドイツの正式なアイスワインといえばかなり高価な価格が多いですが、その中でも品質にも優れ手頃な値段という事で本場アイスワインを楽しむにはもってこいの選択になります。
ヴィダル ブラン
価格 | 約4,500円 | 色 | 白 |
生産地域 | カナダ | 生産者 | ペラー・エステート (PELLER ESTATES) |
ブドウ品種 | ヴィダル100% | アルコール度数 | 11.5% |

アイスワインの本場カナダで生産される「ヴィダルブラン」は、カナダのアイスワイン生産で急成長をしている「ペラー・エステート」が手掛けめちゃくちゃ美味しくて人気があります。
これだけ美味しい本場アイスワインがこの値段!?と思うほど高品質な味わいが特徴。
ねっとりとした蜂蜜を想わせる豊満な極甘口に加えてフレッシュな果実味が感じられ、さらに青草やほのかなジュニパーといったハーブ系の複雑味によって深い味わいを楽しむことができます。
ヴィダルというブドウ品種はカナダ特有のもの。
アイスワインの楽しみ方として最大の魅力が「ブドウの甘さに加えた複雑味」ですが、カナダ特有のブドウ品種ヴィダルを使用することにより安い価格でしっかりと複雑さが感じられる高級アイスワインとなっています。
一度は試してみて欲しい、本場カナダ産アイスワインです。
アイスワイン「白」おすすめランキング
イニスキリン アイスワイン・ゴールド・ヴィダル
価格 | 約10,000円 | 色 | 白 |
生産地域 | カナダ | 生産者 | イニスキリンワインズ (Inniskillin Wines) |
ブドウ品種 | ヴィダル100% | アルコール度数 | 9.5% |

アイスワインの本場カナダで「イニスキリン(Inniskillin)」といえば一流メーカー。ノーベル平和賞公式晩餐会で使用、またフランスで開催される国際ワイン・スピリッツ見本市で最高栄誉賞受賞を獲得するなど輝かしい実績をもつワイナリーです。
ワイン内の残糖度がすこぶる高いのが特徴で、それによりハチミツやバニラといったコクをはじめボリュームのある清々しい果実香を感じ、さらにスパイス系の複雑さをしっかりと味わえるのが魅力です。
やはり、カナダ特有ブドウ品種「ヴィダル」が使われていることも複雑味を感じる大きな理由。
私も初めて「イニスキリン」を飲んだときの感想はかなり刺激的で、ひと口含んでみると「ワインの醍醐味を全て感じられる」という表現がもっとも近いというのが正直なところです。
とにかく、めちゃくちゃウマい!
ただ「イニスキリン」のアイスワインは希少のため日本に輸入される数も少なく、なかなか購入することができません。もし販売されていればめったにないチャンスになります。
✅ エノテカにあればチャンス!:イニスキリン アイスワイン・ゴールド・ヴィダル
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ヘンリーオブペルハムリースリング
価格 | 約11,000円 | 色 | 白 |
生産地域 | カナダ (オンタリオ) | 生産者 | ヘンリー オブ ペルハム (Henry of Pelham) |
ブドウ品種 | リースリング100% | アルコール度数 | 9.0% |

本場アイスワイン生産で世界最高峰の1つともいわれるワイナリーが「ヘンリー オブ ペルハム」です。清らかで豊富な水と森林により素直な味わいのアイスワインを楽しめます。
カナダのアイスワイン生産に使用されるブドウ品種はヴィダルが多いですが、その中でもヘンリーオブペルハムではドイツ系のブドウ品種「リースリング」を使っているため香り高いアイスワインが作られます。
リースリングはとくに高い香りが特徴のブドウ品種ですが、このアイスワインにもリースリング特有のマスカットを思わせる華やかな香りと味わいがたっぷりと感じられ「まさに新鮮!」という表現がピッタリ。
もしリースリングファンであれば間違いなくこのアイスワインはおすすめで、ドイツワインに使われるリースリング種の良いところだけを凝縮した味わいを楽しむことができます。
レイクビュー ゲヴェルツトラミネール
価格 | 約6,500円 | 色 | 白 |
生産地域 | カナダ | 生産者 | レイクビューセラーズ(Lakeview Cellars) |
ブドウ品種 | ゲヴェルツトラミネール100% | アルコール度数 | 10.5% |

白ワインのブドウ品種でゲヴェルツトラミネール(Gewurztraminer)のライチ感が好き!という人には間違いなくおすすめのアイスワインです。あのライチ香と味をそのまま残して凝縮した味わいです。
ゲヴェルツトラミネールといえばライチ感が代表的な味わいの特徴ですが、さらに白コショウなどスパイシーさも感じられ「そこがまた好き!」というファンも多いものです。
そんな一度ハマったら抜け出せない魅力をもつゲヴェルツトラミネールですが、その良さをそのまま活かして詰め込んであるのがレイクビューセラーズのアイスワインになります。
ゲヴェルツトラミネールというブドウ品種は初めて飲んだときはクセがあるように感じますが、それだけに中級者以上になると「ゲヴェルツトラミネールのクセがいい!」という人も多いです。
アイスワイン「赤」おすすめランキング
アイスワイン カベルネ・フラン
価格 | 約9,000円 | 色 | 赤 |
生産地域 | カナダ | 生産者 | ペラー・エステート (PELLER ESTATES) |
ブドウ品種 | カベルネ・フラン100% | アルコール度数 | 12.0% |

赤ワイン用ブドウ品種「カベルネフラン」を使ったアイスワインは珍しく、一般的なスティルワイン(赤ワイン)ではピーマン風のクセがありますがアイスワインになるとそれが複雑さとなりとても美味しいのが特徴です。
カベルネフランの青っぽさや土臭さはあまり得意ではないという人も多いですが、このアイスワインはなぜか「そのクセがすべてウマ味として感じる」ためとても不思議な感覚になり超個性的です。
しっかりと極甘口でねっとりとしたアイスワインならではの特徴をもちつつ、ベリー系のフルーティでジューシーな果実味、口の中に広がっていくボリュームのあるコクがとてもハッキリと感じられます。
カベルネフランがアイスワインになるのを想像できないという人におすすめで、かなりビックリする味わいなのでぜひ試してみて欲しい甘口赤ワインです。
コンゼルマン カベルネ・ソーヴィニヨン
価格 | 約10,000円 | 色 | 赤 |
生産地域 | カナダ (オンタリオ州) | 生産者 | コンゼルマン・エステート・ワイナリー(KONZELMANN ESTATE WINERY) |
ブドウ品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン | アルコール度数 | 9.0% |

カベルネ・ソーヴィニョン派であれば必ず気にいってしまうといわれるのがコンゼルマンのアイスワインです。
カベルネソーヴィニヨンならではの渋みがそのまますべて旨味となって凝縮されているので、黒スグリのような華やかさをしっかりと感じながらまろやかな口当たりを楽しむことができます。
やや渋みが残っているのがまた心地よく、一般的なアイスワインではどこか物足りない、アイスワインはいろいろ飲んできたという場合にピッタリのチョイスになること間違いなし。
極甘口の中にもしっかりと赤ワイン用ブドウ特有の渋みとコクが感じられるため、なかなか病みつきになってしまう妖艶な味わいを持つアイスワインです。
ピリテリー シラーズ
価格 | 約9,000円 | 色 | 赤 |
生産地域 | カナダ | 生産者 | ピリテリー (Pillitteri) |
ブドウ品種 | シラー | アルコール度数 | 10.0% |

赤ワイン用ブドウ品種「シラー」を使った珍しいアイスワインで、カナダ国内で一定以上の評判があるピリテリー社が生産しています。
シラー好きにはお待たせしました!といってもいいほどマイナーなアイスワインで、あの独特の土臭さなどをしっかりと含んだ味わいでかなり複雑さを感じられます。
もちろんベリー系の華やかでジューシーな味わいは保ちつつシラー種の渋みがほどよく残っており、極甘口というだけではなくヴィンテージワインを合わせたようなふくよかさを兼ね備えているアイスワインです。
このアイスワインも一度ハマったら抜けられなくなる味わいです。
アイスワインおすすめランキング一覧表

紹介してきたアイスワインを一覧でまとめます。
ランク | アイスワイン名 | 値段 | 生産地域 | ブドウ品種 | 販売先 |
安い | 五一わいん 氷菓の雫 ナイヤガラ | 約2,000円 | 長野県塩尻 | ナイアガラ100% | 五一わいん |
ナクトゥゴールド | 約4,000円 | ドイツラインヘッセン | ・オルテガ ・フクセルレーベ ・ショイレーベ | ナクトゥゴールド | |
ヴィダル ブラン | 約4,500円 | カナダ | ヴィダル100% | ヴィダル ブラン | |
白 | イニスキリン・ゴールド・ヴィダル | 約10,000円 | カナダ | ヴィダル100% | |
ヘンリーオブペルハムリースリング | 約11,000円 | カナダ | リースリング100% | ヘンリーオブペルハムリースリング | |
レイクビュー ゲヴェルツトラミネール | 約6,500円 | カナダ | ゲヴェルツトラミネール100% | レイクビュー | |
赤 | アイスワイン カベルネ・フラン | 約9,000円 | カナダ | カベルネ・フラン100% | カベルネ・フラン |
コンゼルマン カベルネ・ソーヴィニヨン | 約10,000円 | カナダ | カベルネ・ソーヴィニヨン | コンゼルマン | |
ピリテリー シラーズ | 約9,000円 | カナダ | シラー | ピリテリー |
アイスワインおすすめの飲み方
本場アイスワインまたはアイスワイン風を購入したら、
基本的に「冷やして」飲んでください。

冷蔵庫で5℃以下にキリッと冷やすことでアイスワイン独特のネットリした粘りを感じられ、よりまろやかな口当たりを楽しむことができます。
また冷たく冷やすことによってアイスワインのうま味となる甘さが際立ち、さらに酸味が引き締まることでより芳醇な甘さを前面に引き出すことができます。
私(ソムリエ田中)の場合はアイスワインが常温であれば、冷凍庫に約2時間ほど放置。また冷蔵庫で冷やしてあれば1時間ほど冷凍庫に移し替え、ボトル表面が「霜降り状態」になってからキンキンに冷えたアイスワインを楽しんでいます。
アイスワインは冷やし過ぎという事はないのでガンガンに冷やして、全てのうま味や特有のまろやかさを最高に際立たせることが楽しくおすすめの飲み方になります。
もしアイスワインを飲み残した場合は、コルク栓を手で半分程度まで締めて冷蔵庫保存すればOK。ワインの残留糖度がかなり高いので1ヶ月くらいは余裕で長持ちします。
アイスワインにおすすめのおつまみ

アイスワインとの組み合わせ(マリアージュ)に適したおつまみは以下の通りです。
- スイーツ(デザート類)
ショートケーキ、タルト系、クリームブリュレ、焼き菓子、チョコレート、フォンダンショコラ、アイスクリームなど全般。 - 青かびチーズ
ロックフォール、フルムダンベール、ブルースティルトン、ゴルゴンゾーラなど。 - 料理関係
フォアグラ料理。 - フルーツ
甘みのあるフルーツ全般。
ほかにもコンビニで販売されているポテチなど、菓子類もアイスワインのおつまみにはおすすめ。
また和菓子(饅頭、みたらし串団子、大福)などにもピッタリで、基本的に「甘さ」を伴っている食べ物と相性が良いのでいろいろ試してみてください。

まとめ

ソムリエ厳選アイスワインおすすめランキングをはじめ、飲み方やおつまみなどについても言及してきました。
もしアイスワインを飲んだ経験がないという場合は、絶対に試してみて欲しいジャンルです。
アイスワインについてたくさん検索されていることからもわかるように、一度飲んだらまず間違いなく虜になってしまうほどアイスワインには大きな魅力が存在します。
間違いなく「美味しい!」と目を輝かせてしまうと思うので、これまでワインを飲んでまずかった‥という経験をしていればとくにアイスワインはおすすめのジャンルになります。
本場のアイスワインは高価で手が出しにくいという場合には、同じ製法を人工的に取り入れて生産する「アイスワイン風」を選んでもかなり忠実に表現されており十分満足できます。
まずはアイスワインというものに触れてみて、その魅力をぜひ感じてみてください。
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