
こんにちはソムリエ田中です。今回は「家庭用ワインセラーでおすすめの選び方やコツ」などについて詳しくご紹介します。
ワインセラーといえば”値段も高価で手がとどかない‥”と思われるかもしれませんが、じつは小さなサイズで値段も手ごろな家庭用ワインセラーというのも販売されています。
しかしソムリエとして働いていると家庭用ワインセラーを購入した方から相談をいただくことも多く、買った後でいろいろと使いにくさなどが見つかることがよくあります。
そんな経験から、
- 家庭用ワインセラーでおすすめの選び方
- ソムリエが選ぶおすすめの家庭用ワインセラー
- ワインセラーはどんな場合におすすめ?
などについて詳しくご紹介していきます。
家庭用ワインセラーでおすすめを選ぶ4つのコツ
家庭用ワインセラーでおすすめな選び方のコツは、つぎの3つを抑えることです。
- 手入れがしやすい
- 一定の湿度を保てるコンプレッサー
- 静音設計
- 安定品質の日本製
おすすめ①手入れがしやすい

まず家庭用ワインセラーでもっとも重要ともいえるのが「手入れが簡単」なことです。
とくにワインセラーというのは高い湿度によって保存するハードウェアなので、こまめに手入れをしなければカビが発生するなどの原因となってしまいます。
したがってワインを乗せる棚が取り外せたり、出来る限りフラットに近い状態にして手入れのできるワインセラーが家庭用としてはおすすめです。
おすすめ②一定の湿度を保てるコンプレッサー

ワインセラーの命ともいえるのがコンプレッサーですが、私が以前に購入したワインセラーではこのコンプレッサーの耐久性が悪く”排気ファンの部分が凍りつく”という現象が起きた経験があります。
原因として考えられるのが、コンプレッサーの弱さと室内循環の悪さ。
したがって丈夫なコンプレッサーで室内循環がよく、さらに排気ファンとの連携がしっかりと作られているワインセラーを選ぶことが重要なポイントになります。
結果的にコンプレッサーなどが丈夫なワインセラーほど一定の湿度を保てることとなり、さらに温度帯も保てることでワインの品質を損なうことなく保存ができます。
また今までに湿度調整用として”容器に水を入れて庫内に置く”というワインセラーも経験しましたが、かなり手間がかかり湿度調節も正しく行われないので選ばない方がいいです。
おすすめ③静音設計

業務用ワインセラーであればまわりの音があるのでそこまで気になりませんが、家庭用ワインセラーの場合はこの「音」についてもチェックしておく必要があります。
とくに夜間などは音の大きさによってゆっくり休めなかったり、周りの家庭備品と干渉をして”ビビり音”が出たりする原因となることもあります。
とくに強力なコンプレッサーのついている機種であるほど音が大きくなる傾向にありますが、メーカーによってはこの「音対策」がしっかりと施されているワインセラーもあるので選ぶときのコツとして取り入れてみてください。
実際に私が購入したワインセラーも音が大きく大変な思いをしたことがあるため、ぜひこの音についてもチェックなさってみてください。
おすすめ④棚に工夫がある
ワインセラーを選ぶときに、見落としがちなのが「棚」です。
そこで私がおすすめするワインセラーは「棚」に工夫があることで、たとえば斜めに角度がついていることによって長期熟成ワインの”澱”を瓶底に集めやすくなります。
ワインが入ればいいや!ということで選んでしまうと、平行にしかワインを貯蔵できず澱が分散してしまうことにつながりますので棚に工夫があることがポイントです。
また棚が”引き出し状”になっているワインセラーは、セラー自体をコンパクト設計にしやすく楽に取り出すことができておすすめです。

つぎの項目で、実際に私がおすすめの家庭用ワインセラーをご紹介します。
ソムリエが選ぶおすすめの家庭用ワインセラー3選
私ソムリエ田中がおすすめするワインセラーは、もちろん先ほどご紹介した4つのコツを踏まえて厳選したものばかりです。
性能的にはいずれもおすすめなので、あとは形や収納本数でお選びになってみてください。
①FORSTER JAPAN「ST-AF140」
- 最大収納本数:36本
- 寸法:630mm×570mm×988mm
- 重量:39kg
- 備考:低振動コンプレッサー式、加湿循環方式

このメーカーは独自の「加湿循環方式」という機能を搭載しておりおすすめです。
この機能によって温度と湿度を一定に保ちながら、さらに新鮮な空気の取り込み&排出を行てくれるのでカビが生えにくくフレッシュな庫内を保つことができて楽です。
自分で定期的に水分補給することもなく年間を通じて平均65%以上という高湿度を維持することができるので、私はかなりおすすめしたい家庭用ワインセラー機種です。
②Dometic「ST7 スリムタワー」
- 最大収納本数:7本
- 寸法:148mm x 570mm x 820mm
- 重量:18.5Kg
- 備考:青LED照明
※シャンパーニュボトルなど特殊な形状のボトルは収納できません

ちょっとだけワインを保存したい、というときはこちらがおすすめです。
縦7列に収まるスリムなスタイルが特徴で、ちょっとしたスペースがあればわりと簡単に収まってしまうので場所を取らず本格的にワインを熟成させることができるセラーです。
メーカーは定評のあるドメティック社のものなのでコンプレッサーも高い冷却能力を持ち、もし庫内温度に異常が発生した際には「庫内温度異常アラーム機能」によって知らせてくれる親切設計です。
青LED照明がつくので夜間はスタイリッシュに光りますよ。
③Dometic「Ma Cave」
- 最大収納本数:17本
- 寸法:295mm×620mm×863mm
- 重量:29kg

初めとつぎに紹介したワインセラーの、ちょうど中間的な本数が入るセラーです。
このワインセラーも信頼できるドメティック社のもので、とくに特徴なのが2つの温度帯を上下半分ずつでそれぞれ設定できること。したがって赤・白・ロゼそれぞれ種類の違うワインを最適な温度帯で保存できます。
またカーボンフィルターがついているため庫内空気を清浄に保つことができ、ペラッと取り外すことのできるワイン主要産地名シールが付属されてデザイン性にも優れています。

ここでご紹介した商品は、すべて私が信頼しているワイン輸入通販会社エノテカ「プロが選ぶおすすめワインセラー」にあります。ほかにも種類があり見るだけでも楽しいのでぜひ覗いてみてください。
ワインセラーはどんな場合におすすめ?
ワインセラーを購入するべきか迷っている方へ、必要なシチュエーションについてお話しします。
ワインセラーというのはどうしても必要なものでもありませんが、私はつぎの要素があればワインセラーを購入しても良いと思います。
- 若く値段が安いうちに購入してあとは自分で熟成させたい
- 床下収納の設備がない
- 熟成の必要はないけどとくに赤ワインを最適な温度で飲みたい
- プレゼント用にヴィンテージワインを用意する機会が多い
若く値段が安いうちに購入してあとは自分で熟成させたい

とくに長期熟成が必要な赤ワイン(将来ヴィンテージワインとして高値になるワイン)というのは、まだ若いうちであれば値段も安く購入できます。
このような将来が有望されるワインというのはまだ新酒のうちに”プリムール”として安い値段で購入できますので、そのようなワインを熟成させて「破格の値段でヴィンテージワインを楽しむ」という場合はワインセラーを購入するのがおすすめです。
またワインセラーでそのように正しく熟させたヴィンテージワインを、飲み頃になってから高値で販売するといったビジネスにもワインセラーは必要です。
床下収納の設備がない

家庭で飲むワインを熟成させるのは、代替えとなるのが床下収納です。
床下収納はもちろんワインの熟成保存をする場所として完璧ではありませんが、通常であれば味噌など”熟成が必要な食品置き場”として使われることを考えるとワイン保存庫として適当な場所になります。
したがって家庭のワインの収納場所としてもっとも適切な床下収納が存在しないのであれば、ワインセラーを購入するのは私はアリだと思います。
熟成の必要はないけどとくに赤ワインを最適な温度で飲みたい

ワインを購入してきて、とくに困るのが「赤ワインの温度」だと思います。
白ワインやシャンパン・スパークリングなどはそのまま冷蔵庫で冷やせばOKですが、赤ワインだけは冷やし過ぎると味が開かずおいしさも半減してしまいます。
そこでワインセラーで熟成させないまでも、赤ワインに最適な飲用温度を保つことが出来ればいつでも美味しい温度帯で飲めるのでワインセラーの購入を考えるのは正解です。
よく赤ワインを飲むという方は、ワインセラーがあることで「より楽しい時間を過ごすことができる」ため購入を検討するのがおすすめです。
プレゼント用にヴィンテージワインを用意する機会が多い

私もよく、同じ職場で働く同僚が「県知事賞をもらった」などというときにヴィンテージワインを贈ります。そんなシチュエーションの多い方にもワインセラーの購入はおすすめです。
せっかく高級なヴィンテージワインを購入しても、しっかりと正しい状態で保存しなければ贈答する前にこれまでの熟成が台無しになってしまうことも考えられます。
したがって贈答用にヴィンテージワインなどのレベルを考えることが多い、という方はワインセラーの購入をぜひ考えてみてください。安心してプレゼントすることができますよ。

まとめ
ここまでをまとめます。
家庭用ワインセラーでおすすめを選ぶ4つのコツ
- 手入れがしやすい
- 一定の湿度を保てるコンプレッサー
- 静音設計
- 安定品質の日本製
ソムリエが選ぶおすすめの家庭用ワインセラー3選
- 36本収納
➝FORSTER JAPAN「ST-AF140」36本 - 7本収納
➝Dometic「ST7 スリムタワー」7本 - 17本収納
➝Dometic「Ma Cave」17本
ワインセラーはどんな場合におすすめ?
- 若く値段が安いうちに購入してあとは自分で熟成させたい
- 床下収納の設備がない
- 熟成の必要はないけどとくに赤ワインを最適な温度で飲みたい
- プレゼント用にヴィンテージワインを用意する機会が多い
これで「おすすめのワインセラー」「ワインセラーがおすすめな場面」が伝わったかと思います。
ワインセラーが1つあると、グンッ!とワインの世界が広がるものです。

もしワインに興味があれば私は小さいものでいいので1つは持っておいて損はないと思います。ワインセラーがあることで楽しみ方が10倍は広がりますよ。
またワインセラーを構えることが出来れば【現役ソムリエ厳選】ワイン種類別おすすめワイングラスと選び方の記事を参考に、自分ピッタリのワイングラスを揃えるとよりワインの時間が楽しくなります。
もしワインセラーについてわからないことがあれば、ぜひ私の方に質問をお寄せください。実際に経験から出来る範囲で答えさせていただきます。

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