
こんにちはソムリエ田中です。プロのソムリエがおすすめする「ワインの楽しみ方」を7選にして詳しく紹介します。
私もソムリエ修業時代から、ワインのいろいろな楽しみ方について工夫してきました。
そこで実際にアレンジしたワインの楽しみ方の中から「より楽しくワインを飲めた!」というソムリエ田中おすすめの方法をピックアップしていこうと思います。
ワインを1週間かけて味の変化を楽しむ

これは間違いなくワインを楽しめる方法になります。1本のワインをあえて1週間かけて飲むことで「味の変化」を楽しむことができます。
フルボトルのワインを1日で飲み切るのは難しい!という方も多いですよね。
そこはムリをせず時間をかけてゆっくりと飲むことによって、だんだんとワインの味に変化が出てきて適量を長期間楽しむことができるのでおすすめの方法です。
またワインの味に「角」があって飲みづらいなど、ビンテージが若いワインや、赤ワインであればブドウ品種がカベルネソーヴィニヨンなど苦みや酸っぱい味が突出してトゲトゲしく感じる場合も。
そんな場合にも1週間かけて飲むことでワインが空気に触れ味がまろやかに変化していき、1日目とはまるで別物のような味わいに変化。よって「より美味しい味わいにする」という意味においてもおすすめの楽しみ方になります。
ワインは苦い!と思っている人も、1週間かけて飲むと美味しく感じるかもしれません。
ワイン開封後の期限(賞味期間)は思っている以上に長いもの。
この楽しみ方は発泡系以外のワインであれば色は関係なく、いずれも冷蔵庫で保存しておけば1週間は十分に楽しむことができます。
とくに野菜室で保存したり横向きに寝かせて保存したりする必要もなく、さらに瓶内を真空状態にするゴム栓バキュバンなどを使って保存をする必要もなし。ワインの雑味やピリピリ感などがなくなって飲みやすいワインを楽しむことができます。
抜栓したコルクを手でギュッと戻すだけでOKで、完全に瓶内に入れず半分程度締まっていれば大丈夫なので簡単に実践できるワインの楽しみ方になります。
また1本のワインを1週間かけて味の変化を楽しむほか、2本以上複数のワインを同時に開栓して飲み比べをしながら楽しむというスタイルもおすすめ。とくに値段の安いワインほど空気に触れさせることで味がまろやかに変化するのでかなり楽しめると思います。
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同じブドウ品種でワインの銘柄を変えて楽しむ

ワインに使用されるブドウ品種を揃えることで「銘柄による味の違い」を楽しむことができます。
カベルネソーヴィニヨン使用のワインのみ、メルロー使用のワインのみ、などブドウ品種を揃えることで銘柄による味の違いを飲み比べできるという楽しみ方になります。
さらに同じ価格帯のワインにすることで自分好みのワイン探しにもつながるため、お気に入りワインを見つけたいという場合にもおすすめの楽しみ方といえます。
同じブドウ品種でも生産者や地域が違うだけで180度まったく違った味わいになるのも楽しい部分で、ベースの味が同じなだけに生産者の技術力やその生産地域の気候などを想像しながらワインを楽しめます。
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同じ地域でブドウ品種を変えて楽しむ

先ほどは「ブドウ品種が同じ」でしたが、ここでは生産地域を固定してブドウ品種を変えることで「ブドウの味による違い」を楽しむことができます。
たとえばフランスボルドー地方のワインで「カベルネソーヴィニヨン」「メルロー」を同時に飲み比べる、またブルゴーニュ地方で「ピノノワール」「ガメイ」を同時に楽しむ。
あえて同じ地域にすることで気候などの背景は同じで、純粋にブドウ品種による味の違いを楽しめます。
この楽しみ方の場合は国が違ってしまうと気候などが大きく異なるため、なるべく同じ生産国で地域も揃えることがポイント。土壌などもほぼ変わらない状態なので、ワイン初心者が好みのブドウ品種を見つける場合にもおすすめの楽しみ方になります。
✅ もっとも飲みやすく初心者におすすめ
1つのワイン銘柄でクラスを変えて楽しむ

ワイン中級者以上におすすめともいえる楽しみ方になりますが、同じワインの銘柄でクラスを変えることによって「ワインの質感」を楽しむことができます。
たとえばフランスブルゴーニュ地方でもっとも有名といえる白ワイン「シャブリ」では、最下位クラスからグランクリュクラスまで品質に段階があります。
シャブリのクラス
- プティシャブリ(Petit Chablis)
もっとも最下位にあたるクラス。 - シャブリ(Chablis)
一般的によく見かけるノーマルクラス。 - シャブリ プルミエ クリュ(Chablis Premier Cru Classe)
シャブリ1級クラス。一定の基準をクリアした場合に名づけることができる。 - シャブリ グラン クリュ(Chablis Grand Cru Classe)
シャブリの中で最高級クラス。一定の基準をクリアした上に認定された畑のみで栽培されたブドウを使う必要がある。
価格的な差がかなり大きく、最下位プティシャブリでは1本1,000円程度で購入できますが、最高峰グランクリュクラスでは1本数万円という価格となっています。
このように同じシャブリという銘柄でもクラスによってまったく「別物」といえる味わいの違いを楽しむことができるので、クラスを変えることで同系列ワインの変化を楽しむことができます。
ただしこの楽しみ方を実践するときは「下位から上位」へ飲み進めていくことがポイントで、順番が逆になってしまうと下位になるほど味もそっけもないワインに感じられるので注意が必要です。
1つのワインで年代を変えて楽しむ

同じ銘柄のワインでも年代を変えることで「熟成による味わいの変化」を楽しむことができます。
ワインの年代を変えるといってもヴィンテージワイン(格付けワイン)など高級銘柄ではなくてもよく、スーパーに売られている安いワインでも違った年代が並んでいる場合があるのでそれで十分です。
年代が変わることで味わいにも違いが出て、古くなるほど味の角がとれてまろやかに変化しているのが分かると思います。いくらスーパーの安いワインでも年代によって味の違いはハッキリとわかります。
この年代を変えるワインの楽しみ方によって「好みの年代」が大体わかるようにもなり、この値段のこのブドウ品種であれば何年前のワインがおいしかったなど知識が1つ増えるのもこの楽しみ方のメリットです。
スーパーのワインコーナーやワインショップをよく見ると、わりと同じ銘柄の年代違いが並んでいます。
お手軽に年代の違いによる味わいの変化を楽しむことができるので、とくにワイン初心者であれば試してみて欲しい購入の仕方になります。
ワインにフルーツを加えて楽しむ

フルーツの入ったワインといえばスペインやポルトガルで有名な「サングリア」ですが、ワインと果物は相性に優れるので「味の相乗効果」を楽しむことができます。
いろいろなフルーツがたくさん使われるサングリアを、赤ワインで作るのもおすすめの楽しみ方です。
ちなみにサングリアを作るときに最適なおすすめの赤ワインは、ボージョレヌーボーにも使用されている「Gamay」というブドウ品種。赤ワイン用ブドウ品種のなかでもっとも軽くフルーティな味わいで、サングリア作りにはピッタリのチョイスになります。
最高にウマいアングリアを作るなら➝Gamayを使ったおすすめ赤ワイン
もっと手軽にワインとフルーツを楽しもうと思えば、たとえばシャンパンやスパークリングワインにベリー系のフルーツを浮かべてアペリティフ(食前酒)風にするのも楽しい飲み方。発泡系のワインにフルーツの色合いが相まって美しいビジュアルはもとより、ほどよい果物の酸味がワインとマッチして美味しく楽しむことができます。
またフルーツをつまみながらワインを飲むというのもおすすめで、とくにメロンやブドウなどはワインと良くマッチして爽やかさを楽しめる女性におすすめの飲み方になります。
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(現地直輸入の本物サングリアは味が全く違います)
飲み残しワインをカクテルにして楽しむ

ワインの楽しみ方として最後になる7つ目がカクテルで、飲み残しワインをカクテルにすることで「別の味わい」を楽しむことができます。
とくにフルボトルのワインは量が多くて飲み切れないという場合におすすめで、飲み残しをうまく使う裏技的な使用方法としても適した楽しみ方になります。
ワインを使ったカクテルには次のようなものがあります。
ベースワイン | 加える材料 | カクテル名 |
発泡酒 | クレム・ド・カシス 少々 | キールロワイヤル |
オレンジジュース 等倍 | ミモザ | |
白ワイン | クレム・ド・カシス 少々 | オペレーター |
ジンジャーエール 等倍 | キール | |
ジンジャーエール 等倍 レモンジュース 適量 | オペレーター | |
ソーダ 等倍 ライムの輪切り | スプリッツァー | |
ビール 等倍 レモンの輪切り | ビアスプリッツァー | |
オレンジジュース 1/3 | 白ワインクーラー | |
赤ワイン | コーラ 等倍 | カリモーチョ |
ソーダ 等倍 ライムの輪切り | スプリッツァールージュ | |
ジンジャーエール 等倍 | キティ | |
カルピス 2倍 | ロマンティックハーモニー | |
クレム・ド・カシス 1/9 | カーディナル | |
好みのフルーツ | ※サングリア |
※サングリアに使用するフルーツは基本的に何でもいいですが、バナナなどトロミのある果物とは相性が良くないので注意が必要です。またシナモンやミントを入れるとスッキリとした味わいに変化します。

紹介した分量は厳密にいえばやや異なりますが、ワインの種類やブドウ品種などを考えると味や濃さが違うので「等倍で割る」と覚えておけば問題ありません。
ワインを楽しんだあとカクテルにするというのも味わいに変化が出て楽しい飲み方になるので、ワイン1本あればかなり充実した長く楽しい時間を過ごすことができます。
とくに紹介したワイン系カクテルは割る材料も難易度がそこまで高くないので、サクッとワインを変化させるにはもってこいのメニューになると思います。
まとめ

ワインの楽しみ方をご紹介してきましたが基本的には「何でもOK!」です。自分好みにアレンジしてぜひお気に入りを見つけてみてください。
もし「赤ワインに氷を入れたい!」と思えばぜひ楽しみ方の1つとしてやってみてください。世間ではタブーとされていますが私も職場レストランでお客様から希望があり何度も入れてきました(笑)
ワインといえば硬く考えがちですが、そんなものは取っ払いましょう!
自分が最高!と感じれば、ワインはそれが最高の楽しみ方です。
毎日の暮らしでワインをより楽しむため、ぜひ紹介した7選を参考にしてみてください!
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