赤ワイン用ぶどう品種「メルロー」は、私がもっとも好んでいる品種です。

ホテルのレストランでメルロー種を使った赤ワインをよくおすすめしますが、ほぼ確実に「うまいっ!」という言葉をいただけるぶどう品種でもあるほど。
そこで、メルローを使った赤ワインとは一体どんなのもの‥?
という方へ、ここでは多くの人を惹き付けてしまうメルローについて少し魅力をお伝えしようと思います。
赤ワイン用ぶどう品種メルローの特徴


メルローが作られるのはフランスボルドー地方が中心で、ほかにも南米チリなど世界的に見ても多くの地方で作られているぶどう品種です。
メルローの味わい
メルローを一度飲むと、誰もが口を揃えて表現するのが「マッタリしている」という言葉。
酸味も抑えられていて渋すぎず、深いうま味を感じながらトロッとしたような感覚を味わうことが出来るのがメルローが人を惹き付ける最大の魅力です。
若いワインから長期熟成に耐えるヴィンテージ赤ワインまで使われることからも、メルローは幅広く対応できるぶどう品種ともいえます。
メルローとカベルネソーヴィニオンの違い
よくメルローとカベルネソーヴィニヨンの違いについて聞かれますが、いちばん知りたいのは味わいではないでしょうか。
メルローの味わいについては先ほどご紹介した通りで、カベルネソーヴィニヨンの味わいはメルローとは対照的に「シャキッと角の立った味」とでも表現するのがふさわしいです。
とくに若いころのカベルネソーヴィニヨンの味わいというのは角が立って硬い印象があり、熟成とともにだんだんと飲みやすくなりますが「メルローのように初めから飲みやすいぶどう品種ではない」ところがいちばん大きな違いです。
メルローとシラーの違い
またシラー種との違いも聞かれることがありますが、シラー種というのはおもにフランスのコートドデュローヌ地方で作られる品種です。
シラー種の味わいで決定的にメルローと違うのが「獣(けもの)香」を感じる部分で、赤い花を思わせるメルローの香りに対して”土壌っぽさ”を感じさせるのがシラー種の特徴です。
したがって初心者に野に安いのはシラー種よりもメルロー種のほうで、シラー種はワインを飲み慣れた人に多く好まれる品種でもあります。
メルローに合う料理


メルローから作られる赤ワインの味わいはマッタリとしてコクがあるため、肉系の料理であれば広くどんなものともよい相性を示します。
また肉系ではなくしっかりと調理された魚系料理、とくに蒲焼きなどうなぎ料理との相性がいいのもメルローの特徴です。
メルローと相性のよい料理として、タレ焼の焼き鳥やビーフシチューなどの煮込み料理など。
素材の味が隠れそうなほど調理された肉系料理とメルローは相性がよく、その反対にカベルネソーヴィニヨンは素材の味をなるべくそのまま味わうような肉系料理との相性がバツグンです。
メルローは値段に関係なく安っぽい感じがない


メルローを使った赤ワインというのは、じつはお得なワインでもあります。
というのもメルローの特徴でもある「マッタリとした味わい」は安いワインでも感じることができるため、値段に関係なく高級感を得やすいワインといえます。
同じ値段でカベルネソーヴィニヨンで作られたワインと比較すれば一目瞭然で、カベルネのほうは角が立って飲みづらいですがメルローはまろやかな味わいでとても飲みやすいことが分かると思います。
したがってワイン初心者で安い価格帯のものからはじめよう!という場合にメルローの赤ワインはおすすめで、カベルネソーヴィニヨンのように値段が安くて失敗する確率はかなり低くなるのでぜひ挑戦してみてください。
ワイン初心者におすすめなメルローの赤ワイン

メルローを使った赤ワインはいずれも初心者におすすめですが、あえて私がおすすめとするのはニュージーランド産でとくに飲みやすい「SILENI」です。
どこのお店でもだいたい2,000円くらいで購入できて手軽に楽しむことのできるメルローで、値段終わりにはしっかりと丁寧に作られています。したがって十分に繊細なメルローのまったりとした味わいを楽しむことが出来るワインです。
また初心者向けメルローの味わいに慣れてきたら、今度は少しずつカベルネソーヴィニヨンが混じった赤ワインをステップにしてみるのもおすすめの楽しみ方です。
メルロー&カベルネソーヴィニヨンでおすすめなのが「ENATE」。
これはスペイン産の赤ワインで、メルローとカベルネソーヴィニヨンが混じっているため両方の味わいを楽しむことが出来てステップアップにはピッタリのワインです。
味が混じっているというよりも「両方のうま味を感じる」といったほうが正解かもしれません。

そしてさらにメルローのヴィンテージを楽しもうと思えば、もちろん「ペトリュス」。
ヴィンテージワインなので値段のほうは目が飛び出るかもしれませんが、メルローを使った最高峰ワインなのでいつかチャンスがあればぜひ飲んでみてください。年代によって値段も倍半分以上違うので、どの年代が「当たり年」なのかは値段を見れば一発で想像できると思います。

まとめ
ここまでをまとめます。
- 赤ワイン用ぶどう品種メルローの特徴
➝マッタリとしていて若いうちからでも楽しめる味わい。 - メルローに合う料理
➝しっかりとした味付けの肉系料理。 - メルローは値段に関係なく安っぽい感じがない
➝安いワインでも高級感が楽しめる。
これで「赤ワイン用ぶどう品種メルロー」のことが少しでも伝わったでしょうか。

私はソムリエの資格を合格した28歳のころから、ずっと今でもメルロー種から造られた赤ワインが大好物で赤ワインで一番好きといってもいいほど。
とくにワイン初心者の友人に進めて喜んでくれたときなどはとても嬉しく、それからハマってメルロー一筋という友人もいるほどこのぶどう品種には惹き込む魅力が隠されています。
もしメルローで作られた赤ワインを試していなければ、ぜひすぐにでも飲んでみてください。
たぶん「うまっ!」という言葉が出ると思いますよ。



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