
ソムリエ&調理師の田中です。今回は「ワインの種類別に相性の良いパスタ」を紹介します。
ワインとパスタのマリアージュ(相性)は、つぎのような組み合わせ方があります。
- 「ワイン」と主体としてパスタを考える。
- 「パスタ」を主体としてワインを考える。
ここでは「ワインを主体とした相性の良いパスタ」を考えていきます。
パスタの種類

ワインとパスタの相性を解説する前に、一度パスタの種類について触れておきます。
パスタの種類(分類)
- ロングパスタ‥スパゲッティ、フェットチーネなど
- ショートパスタ‥マカロニ、ラザニア、ニョッキ、タッリアッテレなど
よくスパゲッティとパスタは別物だ!という声を聞きますが、じつは同じです。
「パスタ」はセモリナ粉などの原料を使った麺類の総称。
その中にスパゲッティなどのシャンルが存在する、と考えておけば間違いないです。
シャンパンに合うパスタ料理

まずは「シャンパンと相性の良いパスタ」を紹介します。シャンパンは食前酒としておすすめのワインですがパスタとの相性もバツグンの種類です。
①アンチョビパスタ
アンチョビは食前のつまみ「カナッペ」にも使われる食材で、キリッとした塩分とオイリーな口当たりをシャンパンがスッキリと洗い流してくれる相性抜群の組み合わせです。
この「シャンパン&アンチョビパスタ」は、食前の一品として用意してもいいですね。
②カルボナーラ
え!カルボナーラとスパゲッティ?と思うかもしれませんが、ネットリとした卵のコクをシャンパンの泡がスパッと流してくれるので相性の良い組み合わせです。
かなり”味が相反”する組み合わせなので、このおいしさを知ったらけっこうハマると思います。
③きのこクリームスパゲティ
クリーム系パスタにきのこが入ることによって、シャンパンと合わせたときにワンポイントきのこ風味の効いた味わいを楽しむことができます。
きのこが好きな方であればかなりおすすめの組み合わせです。
④雲丹(ウニ)のクリームパスタ
人気のある雲丹(ウニ)のクリームパスタですが、これもシャンパンとバッチリの相性です。
ウニの濃厚な味わいとシャンパンの発泡性がピッタリとマッチして、いくらでも食べ続けることのできる味わいへと変化するのでぜひ試してみて欲しい組み合わせになります。
白ワインに合うパスタ料理

つぎは白ワインと相性の良いパスタ料理を紹介します。白ワインは甘口ではなく「辛口タイプ」を用意すると相性が良くなります。
⑤スパゲッティボンゴレ
魚介系の定番パスタ「ボンゴレ(あさり)」は白ワインとピッタリの相性になります。
とくに魚介の風味だけではなく”塩味ベース”で作るパスタなので、白ワインのキリッとした酸味と辛みに抜群の相性を見せてくれること間違いなしの組み合わせです。
⑥ペスカトーレ
ペスカトーレも魚介系パスタなので白ワインとの相性はバツグンです。
トマト系ペスカトーレと醤油ベースの和風ペスカトーレなどがありますが、とくに和風のほうが白ワインとの相性は良くなる傾向になります。
⑦明太子スパゲッティ
明太子スパゲッティも基本的には塩味なので、キリッと辛口の白ワインとの相性はバツグンです。
白ワインと組み合わせることによって、さらに明太子のうま味がグンッとアップすること間違いなしです。
⑧ジェノベーゼ
ジェノベーゼといえばバジルをたっぷりと使ったスパゲッティですが、ハーブの爽やかな香りと白ワインがピッタリとマッチします。
とくに白ワインのブドウ品種は、シャルドネよりもハーブ系の香りがある「ソービニヨンブラン」のほうがより抜群の相性を見せてくれます。
⑨和風きのこスパゲティ
クリームを使わないタイプの、しょうゆベースの和風きのこスパゲティです。
クリーム成分が入っていないのでサッパリとした白ワインとの相性はバツグンで、サラダ油ではなくオリーブ油で調理をすればより相性が良くなります。
⑩ペペロンチーノ
スパゲッティの定番ペペロンチーノですが、ニンニクの香りと白ワインの相性がしっかりと楽しめる組み合わせです。
ペペロンチーノも塩味ベースなので、どんなブドウ品種ともよい相性になります。
⑪ツナのスパゲッティ
ツナスパゲティは、醤油を少しまわしかけることでより白ワインとの相性がよくなります。
とくにツナの魚介系の味わいとオイル感に、白ワインがピッタリと当てはまる最高の組み合わせになります。
ロゼワインに合うパスタ料理
⑫スパゲッティナポリタン
スパゲティナポリタンはトマトベースでサッパリとした味わいなので、白と赤の中間的な味わいのロゼワインが抜群の組み合わせになります。
ナポリタンとロゼワイン両方のもつ酸味がピッタリで、ベーコンが入るあたりもロゼワインがベストチョイスになります。
⑬ペンネアラビアータ
ペンネの中でもちょっと辛さのある味わいが特徴のアラビアータですが、やはりトマトベースの酸味とロゼワインとの相性がバツグンにマッチします。
ピリッとしたペンネの辛みがさらにロゼワインによって引き立つため、いくらでも食べられるマッチングです。
⑭おろしポン酢スパゲッティ
サッパリとした大根おろしとポン酢の味わいに、白ワインでも相性が良いですがロゼワインを合わせてみるのもおすすめの組み合わせです。
とくに辛口ロゼワインでしっかりと酸味の効いたものであれば、白ワインとはまた少し趣の違った味わいになっておすすめです。
⑮サーモンのクリームパスタ
サーモンといえば白ワインを想像しますが、このパスタの場合はクリームを使っているためロゼワインを合わせても良い組み合わせになります。
さらにイクラを添えることによってさらにロゼワインとの相性は良くなるので、もし用意できるのであればイクラとサーモンの”親子パスタ”にしてみるのもおすすめです。
赤ワインに合うパスタ料理

最後に赤ワインと相性の良いパスタです。料理の”重さ”に合わせて赤ワインの重さを合わせてみるのも楽しいです。
⑯ラザニア
ラザニアはパスタ(ラビオリ)と肉料理を合わせたグラタンなので、間違いなく赤ワインとピッタリの組み合わせになります。
ラザニアの味付けによって軽い赤ワイン~フルボディまで、さまざまな組み合わせができます。
⑰スパゲッティミートソース
ミートソースでも味が重めなものは赤ワインとの相性がピッタリです。逆に軽めの味付けであればロゼワインの方が相性が良くなる場合もあります。
チーズ(パルメザン)を振りかけても赤ワインとの相性はさらに良くなります。
⑱ゴルゴンゾーラチーズのパスタ
ゴルゴンゾーラといえばイタリアの青かびチーズですが、そのままパスタと絡めることによって赤ワインとの相性はバツグンのものとなっています。
青かび独特のクセと赤ワインの相性も楽しいですが、さらにブラックペッパーを振りかけることでスパイシーさとコートデュローヌ地方の赤ワインとの相性が良くなります。
⑲ミートソースグラタン
ミートソースを使ったグラタンは、ラザニアのようにラビオリではなく”マカロニ”を使っているためより上品な料理に仕上がります。
したがってあまり重すぎないミディアムボディの赤ワインがおすすめで、焼き加減によってワインの重さを調節してみるのも楽しさの1つです。
⑳ボロネーゼ
スパゲティボロネーゼはナポリタンやミートソースとはまた違った味わいで、いってみれば”軽いミートソース”といったところです。
したがってあまり重い赤ワインではなく、ボージョレ地方やブルゴーニュ地方の軽めの赤ワインと組み合わせることでピッタリの相性を楽しむことができます。

ワインとパスタの相性まとめ

いかがだったでしょうか。ソムリエ&調理師の田中がピッタリの相性を考えてご紹介してきました。
ここまででお分かりのように、ワインとパスタの相性には大まかな定義があります。
- シャンパン‥油分をすっきりと洗い流してくれるのでクリーム系などと相性が良い。
- 白ワイン‥魚介系や塩味との相性が良い。
- ロゼワイン‥少し肉系を使ったものやトマトソースなど酸味と相性が良い。
- 赤ワイン‥肉系のこってりとしたパスタ料理と相性が良い。
この基本形を覚えておけば、まず相性を外すことなくワインとパスタを合わせられます。
ぜひ参考になさってみてください。

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