
こんにちはソムリエ田中です。今回は「ソムリエ厳選おすすめワイングラス・選び方・洗い方」などにスポットを当てて詳しくご紹介します。
私たちソムリエがワイングラスを選ぶときに、まず注目するのが「ワインの種類」です。
発泡酒・白・ロゼ・赤・デザート用などワインの種類が異なればワイングラスのサイズやデザインなど選び方も全然違うもの。ワインの種類にピッタリのワイングラスを選ぶことで初めてワインを美味しく楽しむことができます。
現役ソムリエが現場で培った経験をもとに、ワインの種類別にベストなソムリエが選ぶワイングラスにぜひ期待ください!
Contents
現役ソムリエによるワイン種類別おすすめワイングラスと選び方


ここでご紹介するワインの種類は「発泡酒、白・ロゼ、赤、デザート」の4つ。それぞれワインの種類に応じた最適なワイングラスと選び方をご紹介していきます。
ソムリエおすすめ「発泡酒」用ワイングラス

RIEDEL「キュヴェ・プレスティージュ」

いたってシンプルなデザインなのが特徴で、いつまでも飽きることがなくスマートに発泡酒を楽しむことのできるシャンパンやスパークリングワイン用のグラスです。高品質でも価格が安いためかなりコスパに優れるモデルです。
RIEDEL「スーパーレジェーロ」

より繊細でキメの細かな泡立ちを楽しめるハイクオリティなシャンパングラスで、最高の口当たりで発泡酒の繊細さを楽しめること間違いなしのワイングラスです。背の高いスタイルに少しだけ入ることで「ちょっとを楽しむ」ことができます。
発泡酒用ワイングラスの選び方

発泡酒におすすめのワイングラスは「泡がキレイに立つ」ことがもっとも重要なポイントです。
したがってキレイに発泡させるためスラッと細長いデザインのワイングラス(通称シャンパングラス)を選ぶことで、よりおいしく発泡酒を楽しむことができます。
またシャンパングラスの中でもグラスの底に”キズ”をつけてある商品もありますが、これはよりキレイに発泡酒が泡立つよう設けられている機能です。
また口の部分が細く加工してあるタイプがありますが、あまりに細いと洗浄をするときに中まできれいに洗うのが困難になるためあまりおすすめしません。寸胴タイプか口元がやや細くなっている程度のグラスがお手入れも簡単です。
ソムリエおすすめ「白・ロゼ」用ワイングラス

RIEDEL「ソーヴィニヨン・ブラン」

丸みのあるデザインでソムリエが好むワイングラスです。名前はソーヴィニオンブランというブドウ品種名になっていますが白・ロゼワイン全てが美味しく感じられるのもこのデザインです。またお手頃価格でコスパが良いのも魅力です。
RIEDEL「ラインガウ」

おもにドイツを流れるラインガウ(ライン川)が名称につけられたワイングラスで、とくに華やかな香りを楽しむことのできる”チューリップ型”なのが特徴です。口が広まっていることで香りが大きく広がり白やロゼワインをより楽しむことができるデザインのワイングラスです。
白・ロゼ用ワイングラスの選び方

白・ロゼ用のワイングラスは、冷やして飲むことが多いため「小さめのサイズ」がおすすめです。
白・ロゼようワイングラスは全般的に小さめのサイズとなっているものですが、その中でもとくにソムリエがおすすめするのが「より小さいサイズ」です。
グラスサイズが小さくなるほど冷やした温度を保ちやすくなるため、温度上昇による”イヤに感じてしまう酸味”を抑えることにつながりよりおいしく白・ロゼワインを楽しむことができます。
また口元もあまり細くなっておらず、やや細まっているものややや開いたデザインになっているワイングラスのほうがより華やかな香りを楽しめるためおすすめです。
ソムリエおすすめ「赤」用ワイングラス

RIEDEL「カベルネ/メルロ」


ソムリエの私がもっとも赤ワイン用グラスとして気に入っているのがこのデザインです。いたってシンプルで飾りはありませんがそれだけに長く愛用するごとに愛着がわいてくるデザインです。
グラス名の「カベルネ/メルロ」からも想像できるように、カベルネソーヴィニヨンやメルロー種といったボルドー地方・メルロー地方で採れるブドウ品種から作られる赤ワインには特にベストマッチします。
また赤ワインを包みこむスタイルのため香りをしっかりと閉じ込めて、眠っているブーケをしっかりと覚醒させ香りと味を楽しむことのできる赤ワイン全てにおすすめのワイングラスです。
RIEDEL「オールドワールド・ピノ・ノワール」

より熟成したワイン(ヴィンテージワイン)を楽しむことのできるデザインがこの丸っこいスタイルです。しっかりと熟成香を閉じ込めて逃がさないため繊細な香りを楽しむことができます。
グラス名にもあるように”オールドピノノワール(熟成したピノノワール)”を楽しむためには最適な赤ワイン用グラスで、ピノノワールに限らず熟成ワイン全般に最適なソムリエおすすめのワイングラスです。
赤用ワイングラスの選び方

赤用ワイングラスは「やや大ぶりなスタイル」がおすすめです。とくにソムリエは丸っこいデザインになっているグラスを好みます。
赤ワインの場合はワイングラスの中にしっかりと「香りを閉じ込める」ことによって、より赤ワインのもつ香りを長くたくさん楽しむことができます。したがってソムリエが特に好むのが”チューリップ型”のデザインになっているワイングラスです。
よく赤ワイングラスに多いのが、ブドウ品種がそのままグラス名になっていること。
したがってブドウ品種ごとにワイングラスを用意した方がいいのでは‥?と思いがちですが、じつは全くそんなことはなくチューリップ型のワイングラスは万能タイプなので全てを賄えるためソムリエはとくにおすすめします。
ソムリエおすすめ「デザート」用ワイングラス

RIEDEL「シェリー/テキーラ」

このグラスはシェリー酒やテキーラを楽しむため専用に作られていますが、小ぶりでデザートワインにもしっかりとマッチするデザインになっているのでおすすめです。とくに繊細な口当たりが特徴で少しずつデザートワインを楽しむため最適なデザインになっています。
デザート用ワイングラスの選び方

デザート用ワイングラスは「もっとも小ぶりサイズ」がおすすめです。冷たい温度のうちに楽しむためにはなるべく小さめを選ぶことがポイントです。
デザート用ワイングラスというのはあまり耳にしないかもしれませんが、ソーテルヌを初め甘口のデザート用ワインというのはヨーロッパでは一般的でグラスも慎重に選ばれています。
とくにキリッと冷やして楽しむ機会が多いデザートワインは、食前酒用のシェリー酒など専用に作られたデザインのワイングラスがベストマッチします。
デザートワインのおいしさは一度味わったら病みつきになりますので、ぜひ「ベストマッチしたワイングラスで一度試してみて欲しい!」というのがソムリエの正直な気持ちです。
ソムリエがワイングラスの統一感をはかる「同シリーズまとめ技」


ソムリエがワイングラスを大量仕入れするときによく行うのがリーデル・ヴェリタスのような「同シリーズまとめ技」です。形が揃ってキレイなことや価格を安く購入できるおすすめの選び方です。
ワイングラス各社共通している販売スタイルが「シリーズ化」で、たとえばリーデル社を例に挙げてみるとワイングラスに関して約20シリーズのラインアップが用意されています。
シリーズごとに値段・デザイン・サイズなどスタイルのコンセプトがあり、同一シリーズでまとめて購入することで「統一感」が得られるばかりかセット割引などでより安い価格で購入できるといったメリットもあります。
したがってワイングラスをまとめて購入する場合には「同じシリーズ」でまとめることで統一感が得られ、とくにパーティなどの場では美しさとともに手入れのしやすさや仕舞いやすさにもつながるためおすすめの選び方です。
ソムリエがワイングラスを選ぶ3つのポイント


われわれソムリエがワイングラスを選ぶとき、一般的につぎのようなポイントを重要視しています。
- グラス素材に「強化クリスタル」が使用されている。
- 透明度が高くワインの「ディスク」までしっかり見える。
- 洗浄しやすい形状になっている。
なぜこのような選び方をするのか詳しく解説します。
グラス素材に「強化クリスタル」が使用されている


ワイングラスが強化クリスタルで製造されていることで、割れにくく長持ちしやすいというメリットがあります。
ワイングラスに使用される素材には、一般的に「ガラス」「クリスタル」の2種類があります。
- ガラス素材‥安価なのが特徴。グラスに厚みがあるため透明度が低い。
- クリスタル素材‥高価なのが特徴。グラスが薄く透明度が高い。
とくに「強化クリスタル」は弾力性があって衝撃に強いため、より破損しにくく長持ちしやついといった特性があります。とくに業務用として使用することの多いわれわれソムリエは、このようなワイングラスを好んで選びます。
またクリスタル素材はガラス素材よりも傷がつきにくい特性があり、さらに強化クリスタル素材のワイングラスではよりその傾向が顕著。
したがって強化クリスタル素材のワイングラスは丈夫で長持ちしやすく、さらにワインを美しく楽しめるというメリットがあるため選ぶときの第一候補として挙げる機会が多くなっています。
透明度が高くワインの「ディスク」までしっかり見える


強化クリスタル素材のワイングラスでさらに高い透明度をもつことにより、ワインの表面に現れる「ディスク」までも楽しむことができます。このようなワイングラスをソムリエは好んで選びます。
ワインのディスクとはアルコール分が透明な膜となって見える部分で、アルコール度数によってその厚さは異なります。このアルコール度数を”可視化”して楽しむためにも、ワイングラスの透明度はかなり重要になります。
ワイングラスは製造メーカーによって品質はさまざまで、まったく同じ強化クリスタル素材が使用されたワイングラスでも透明度の高さなどはやや異なってきます。
また製造工程によって素材内部へ気泡が入ったりする低品質なワイングラスも見かけますが、そのような場合はワインのディスクを楽しむとき邪魔になるのでソムリエは好んで選びません。
しっかりと透明度が高く気泡なども入っていない高品質な作りで、ワインの色合いだけではなくディスクまで楽しめるワイングラスをソムリエは選びます。
洗浄しやすい形状になっている


業務用・家庭用いずれでも同じですが、洗浄のしやすい形状のワイングラスをソムリエは選びます。つねに清潔で洗浄が行き届くことはとても重要なポイントであるためです。
ワイングラスの形状として、あまりに口部分が狭くなっている場合は選びません。
洗浄がしづらい結果として清潔さが低下したり、汚れを落とし切れずグラスの透明度を高い状態に保ちにくいため。したがって口部分の形状が狭すぎないグラスをソムリエは選びがちです。
さらに口部分が狭いワイングラスの場合は洗浄時には損しやすいため、業務用・家庭用いずれの場合でもあまりおすすめはできません。なるべく洗浄に難を感じることのない、一定以上の口径で製造されているワイングラスを選ぶのがおすすめです。
味が違う!?ソムリエが惚れたワイングラスメーカー3社


ワイングラスを選ぶときにソムリエおすすめなのが「クリスタル素材」で、品質がしっかりとしていれば口当たりも向上しよりおいしくワインを楽しむことができます。ここではソムリエ田中おすすめのワイングラスメーカー3社をご紹介します。
①リーデル(RIEDEL)
ソムリエ田中がもっとも惚れ込んでいるワイングラスメーカーが「リーデル社」です。
デザインの美しさはもちろん機能面でも優れており、ワインのもつ魅力をしっかりと引き出してくれて最高の状態で楽しむことのできるワイングラスメーカーです。
さらにシリーズもかなり多いためどんな場面にも最適なワイングラスが見つけやすく、価格帯もリーズナブル~高品質まで揃っているため日常から特別日までしっかりと応えてくれるメーカーです。
②BACCARAT

世界的に有名なクリスタルガラスメーカーで、テーブルウェア関係はもちろんワイングラスにおいても最高級といえるのが「BACCARAT」です。
価格的にはかなり高額になりますがそれだけに品質は最高級といえるもので、ソムリエも憧れのワイングラスメーカーをいうことで常に頭の中にある存在です。
③東洋佐々木ガラス株式会社

日本を代表するワイングラスメーカーで、クリスタル素材のワイングラスは”ファインクリスタル”と呼ばれて人気も高くソムリエが一目置いているのが「東洋佐々木ガラス」です。
シンプルなデザインで日本人が好みやすく、それでいて決して高くない価格でコスパに優れるワイングラスを生産しているのが特徴です。
3社を選んだ理由「とにかくクリスタル素材が美しい」

私がワイングラスおすすめメーカーとして3社を選んだ理由は「クリスタル素材の美しさ」です。とくにデザインと機能性で優れているためピックアップしました。
ワイングラスが作られる素材には「ガラス」「クリスタル」の2種類があり、ガラスは価格・品質が低い、クリスタルは価格・品質が高いという特徴があります。
とくにワインをよりおいしく楽しむために重要な要素は「口当たり」で、グラスの淵が薄くなっているワイングラスほどワインの味を美味しく感じることができます。
この「素材の薄さ」という点から見るとガラスは厚く弱い素材で、クリスタルは薄く強い素材ということからも「クリスタル素材」に分があるといえます。
したがってワイングラスでおすすめなメーカーは、より薄い素材で口当たりがよく、より透明度の高いクリスタル素材で作られていることがおすすめの基準になります。
ワイングラスのサイズ・形による違い


ワイングラスには小~大までいろいろな「サイズ」や「形」がありますが、どのような違いがあるのか解説します。
サイズによる違い
ワイングラスのサイズが大きくなるほど、おもに「香りを楽しむ」といった意味があります。
またワインの引用温度にも密接な関係があり、低い温度帯で楽しむワインになるほど小さいサイズのワイングラスが適しています。
| ワインの種類 | グラスサイズ |
| シャンパン・スパークリングワイン | 細くて小ぶりなサイズ。発泡する様子を楽しんだり温度上昇を防ぐ効果が期待できます。 |
| 白・ロゼワイン | やや小さめのサイズ。香りを楽しみながら温度上昇も防ぐ効果が期待できます。 |
| 赤ワイングラス | 大きめのサイズ。しっかりと香りを開かせながら高い温度で楽しむことができる。 |
形による違い
ワイングラスの中でも、とくに白ワインや赤ワインに使用するグラスには2つのスタイル「チューリップ型・ひょうたん型」があります。
グラスの形状によって香りの開き方や感じ方が大きく異なり、ワインのブドウ品種や年代など楽しみ方の違いによって適したグラス形状があります。
| グラスの形状 | 特徴 |
チューリップ型![]() | ワインの香りをしっかりと閉じ込める効果が期待できます。繊細な年代物ワインをはじめ万能型のグラス形状です。 |
ひょうたん型![]() | より華やかで力強い香りのワインを楽しむことができます。一度閉じ込められた香りがより多く発散する形状です。 |
よりワインを美味しく飲める「薄さ」とは?


良いワイングラスになるほど「薄さ」にこだわって作られています。この「薄さ」は繊細な口当たりによってワインの味わいをより深く感じ取れるためおすすめです。
ワイングラスに使用される素材にクリスタルが多い理由は、まず第一に「薄さ」を追求できることで口当たりがとてもよくなるため。口に触れる部分が限りなく最小限にさえられるため、よりワインの味を感じやすくなるといったメリットをもっています。
おもにワイングラスに使用される素材には「ガラス」「クリスタル」の2タイプありますが、ガラスの場合はその特性によって薄く作成する工程に限界があります。したがって厚ぼったいワイングラスとなり口当たりはあまり良くありません。
このようにワイングラスに適した素材が「クリスタル」で、ワイングラス老舗一流メーカーなどがクリスタルにこだわるのはそういった理由があるため。したがってよりワインの味わい(美味しさ)を感じるためにもワイングラスはなるべく「薄さ」を追求するのがおすすめです。


ソムリエがまず欲しい!と思うクリスタルグラスが「リーデル社」です。最高のワイングラスは味わいが格段にアップしますのでぜひ体験してみてください。
✅ 公式サイト https://shop.riedel.co.jp/
ソムリエが実践しているワイングラスの洗い方


ワイングラスの洗い方を間違ってしまうと”曇り”などの原因となります。そこでワイングラス(クリスタル素材)についてソムリエが実践している洗い方をご紹介します。
手順①家庭用洗剤と目の細かいスポンジで洗う

まず一般の家庭用食器と同じように、ワイングラスを家庭用洗剤(台所洗剤)で洗います。
このときに目の粗いスポンジで洗うとクリスタル素材に傷がつく恐れがあるので、なるべく傷つきを防ぐためキメの細かなスポンジで洗うことがポイントです。
さらにクリスタル素材のワイングラスは割れやすく足が細く折れやすいため、力を入れず撫でるように優しく洗っていくことが大切です。
手順②ぬるま湯でしっかりとすすぐ

一通りワイングラスを洗い終えたら、水ではなくぬるま湯ですすぎます。
ここでは熱すぎるお湯や水はおすすめではなく、水道栓で調節できる範囲で可能な「ぬるま湯」でしっかりとすすぐことがワイングラスをキレイに洗うポイントになります。
手順③タオル&マイクロファイバークロス(トレシー)で拭き上げる

ワイングラスをすすぎ終えたら、2つの手順で拭き上げます。
初めに一般的なタオルで水分を拭き取り、続いてワイン用のマイクロファイバー・ポリッシング・クロス(別名トレシー)を使って仕上げの乾拭きをして磨き上げます。
よくワイングラスが曇るという現象が起こる原因は、仕上げの乾拭きがされていないためです。
したがって手間かもしれませんが、いつまでも曇りのないワイングラスを保つためにもしっかりとワイングラス(クリスタル素材)専用のマイクロファイバー・ポリッシング・クロスを使って磨き上げてください。
まとめ

今回は「ソムリエおすすめワイングラス」をはじめ選び方・おすすめメーカー・洗い方についてご紹介してきました。少しでもワイングラスについて知る機会になれば幸いです。
とくにおすすめワイングラスについては世の中で多くの言及がなされていますが、ソムリエとしてもっともお伝えしたいのが「ワインの種類に合わせて選ぶ」ということです。
実際に桁違いにサイズの合っていないワイングラスなどで飲んでみると、なぜかおいしさをあまり感じられない‥という現象が起こります。
その原因は、まさに「ワインの種類とグラスが合っていない」ためです。
せっかく高いお金を出して購入するワインとワイングラスですので、よりベストマッチする選び方を実践して美味しく楽しんでください。これはソムリエとして強くお伝えしたい部分です。
ピッタリのワイングラスを選ぶことで、思った以上に「ワインが美味しくなった!」と感じると思います。


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